営業・販路開拓
提案書の作り方|「社内で検討します」の先に進む、判断材料のそろえ方
提案の説明は終わった。担当者もうなずいている。最後に返ってきたのは「社内で検討します」の一言。翌週になっても、何を検討しているのか分からない。
こんなとき、資料を詳しくする前に確かめたいことがあります。その提案書を、次に誰が読むのか。商談に同席していない人にも、判断に必要な材料が伝わるかどうかです。
冒頭の場面・記入例は編集部による仮例です。
01最初に決めたいのは、ページ数より今回の判断
提案書の役割は、商品の説明だけではありません。読み手が、何を始めるか、何を確認するかを判断できる状態にすること。今回求めるのが発注なのか、小規模な試行なのか、関係部署を交えた打ち合わせなのかで、必要な材料は変わります。
たとえば「導入をご検討ください」では、相手が何を決めればよいか広すぎるかもしれません。「まず一部署で試せるか、運用担当者を交えて確認したい」。この程度まで具体化できると、資料の終わり方も変わってきます。
ただし、営業側だけで次の段階を決めないこと。担当者が持ち帰る目的を聞き、今回扱う判断を合わせておきましょう。
02会社紹介の前に、相手の言葉を一行置く
Salesforceの提案書ガイドは、顧客の課題と提供価値を結びつけ、価格や進め方、次のステップを整理する考え方を示しています。ここから先は、ウリノビ編集部による実務への落とし込みです。
冒頭には、商談で確認できた課題を一行。営業側の推測なら、推測だと分かる書き方にします。
仮例として、担当者が「月末の集計が一人に集中している」と話したなら、その言葉が起点です。「業務効率が悪い企業」といった評価に置き換える必要はありません。対象業務、困る場面、関係する人を短く整理すれば、後から読む上司も会話の前提を追えます。
図で整理する
03提案内容と実施条件を、隣に置く
できることが詳しくても、開始後に相手が何をするのか分からない資料は判断しづらいものです。担当者が社内から聞かれそうな点を、一枚にまとめてみてください。
- 対象:どの業務、部署、期間を扱うか
- 役割:自社と相手、それぞれが用意するもの
- 費用:含む範囲と、別途確認が必要な項目
- 開始条件:担当者、素材、権限など必要な準備
- 終了時の確認:何を見て継続や見直しを判断するか
これは契約条件を省略するための表ではなく、相談の段階で認識を合わせるための整理です。確定していない条件を、決まったように埋めない姿勢も欠かせません。
04効果の数字には、計算の前提を添える
「月に10時間削減できる」と書くなら、何の作業が何回あり、どこが短くなる想定なのか。実測と試算は、読み手に区別できるようにしておきます。
仮の計算例では、月20回の作業が一回15分短くなるなら5時間です。ただし、確認作業が増えるなら差し引きが必要。単価を掛けた金額も、そのまま現金支出の削減になるとは限りません。
数字がまだない段階では、試行前後で作業時間や修正回数を記録する案にする方法があります。見栄えのよい効果を埋めるより、判断できる証拠の集め方を示すほうが誠実です。
05送る前に、説明役のいない資料として読んでみる
担当者の上司が、この資料だけを開いたと想像してみてください。「なぜ今か」「何を頼むか」「自分たちは何をするか」「何を決めればよいか」が追えるでしょうか。
答えにくいところがあれば、ページを足す前に見出しを直す。最後は、判断事項、未確認事項、次の連絡の目安を並べてみる。この三つがあれば、後日のフォローメールも、漠然とした進捗確認から一歩進められます。
提案書を閉じた相手が、社内で最初に話す一言。その一言を考えるところから、次の資料を見直してみてください。