経営・事業成長
営業会議の進め方|30分の議題例と行動が決まる議事録
全員が順番に数字を読み上げ、最後に「来週も頑張りましょう」。会議は予定どおり終わった。それでも、翌日の動き方は先週と変わらない。
営業会議を短くしたいとき、発言時間だけを削ると、相談する機会まで減ってしまいます。先に変えたいのは、会議に持ち込むものです。数字の共有は事前に済ませ、集まる時間には「一人では決められないこと」を置く。この記事では、週次の営業会議を30分で試すための進め方を紹介します。
01報告事項を決めたいことに言い換える
「A社の進捗」という議題では、何を話せば終わるのかが分かりません。担当者が経緯を一から説明しているうちに、時間が過ぎていきます。
同じ案件でも、「A社の追加要望を今回の提案に含めるか」なら、判断する対象が見えます。経緯を確認する範囲も、その判断に必要な分だけで十分です。
会議の前に担当者が用意するのは、次の三つを一行ずつ書いたメモです。
- 今回決めたいこと
- 決めるために分かっていること
- 自分が勧める案と、その理由
事前資料を作る時間が増えすぎては逆効果です。出発点は、該当するCRMや案件表へのリンクと三行のメモ。別の資料へ転記する必要はありません。
全員が詳しく報告したい案件と、チームの判断が必要な案件は同じではありません。商談が順調な案件も共有は必要です。ただ、会議で長く扱う必要があるかは別の話でしょう。
0230分の使い方を先に決めておく
次の配分は、少人数の営業チームで試すための編集部案です。30分が万能な長さというわけではありません。まず議題を二つ程度に絞り、収まらない場合は議題か会議の設計を見直します。
| 時間 | 扱うこと | 終わりの条件 |
|---|---|---|
| 0〜5分 | 前回の宿題と重要な変化 | 未完了と影響を把握する |
| 5〜10分 | 今週の目標との差 | 話し合う論点を選ぶ |
| 10〜25分 | 判断が必要な案件や施策 | 決定、または追加確認を決める |
| 25〜30分 | 担当・期限・完了条件 | 関係者が次の行動を言える |
冒頭の宿題確認は、遅れた人を追及する時間ではありません。止まっている理由が、別部署の回答待ちなのか、優先順位の衝突なのかを確認する時間です。必要なら、担当者に「頑張ってもらう」代わりに、上司が依頼先との調整を引き受けます。
図で整理する
03数字の差を見たら件数と中身を一緒に見る
目標に届いていないと分かっても、すぐ「電話を増やす」と決めないようにします。商談そのものが少ないのか、提案後に止まっているのか、今月に見込んでいた契約が翌月へ動いたのか。必要な対応は、それぞれ別です。
架空の例として、商談数は計画どおりなのに提案が進んでいないケースを考えます。ここで接触件数を増やすと、対応待ちの商談だけがさらに増えるかもしれません。先に、提案作成の担当不足なのか、相手の課題を確認できていないのかを見ます。
会議で使う数字には、対象期間と定義が欠かせません。「商談」が初回面談なのか、具体的な課題を確認した案件なのかをそろえないと、同じ数字を見ながら別の話をしてしまいます。担当者間の比較にも、顧客や商材の違いを踏まえた読み取りが必要です。
04決められないときは追加確認を仕事にする
会議中に必要な情報が足りないと分かったら、無理に結論を出す必要はありません。ただ、「持ち帰ります」だけでは、翌週も同じ話になります。
たとえば「追加要望を受けるか決められない」なら、何を確認すれば判断できるかを絞ります。
制作担当が水曜までに追加工数の見積もりを出す。営業担当は同日までに顧客へ希望納期の変更可否を確認する。木曜午前に責任者が受ける範囲を判断する。
金額の承認権限を持つ人が不在なら、その場で承認されたことにはしません。必要な判断者を明確にし、回答を得る手順まで決めておきたいところです。
会議の成果には、決定だけでなく「判断できる状態にするための仕事」も含まれます。
05宿題には完成した状態を書く
Atlassianは、会議から生まれる行動項目について、担当者、具体的な行動、期限に加え、完了した状態や背景を明確にすることを説明しています。Atlassianの行動項目の解説
「提案を改善する」では、どこまで終われば完了なのか分かりません。次のような書き方なら、着手する内容が明確です。
| 曖昧な宿題 | 行動を始められる書き方 |
|---|---|
| 提案を改善する | 営業担当が金曜までに、導入後の役割分担を一枚にし、責任者の確認を受ける |
| A社に連絡する | 担当者が明日、A社に運用担当の有無を確認し、回答を案件表へ記録する |
| リストを見直す | 担当者が水曜までに、今週連絡する候補に選定理由を追記する |
他者の回答が必要な仕事では、「回答を得る」ことを無条件の約束にしません。いつ依頼し、回答がなければいつ誰に相談するかまで分けておきます。
最後の数分で、担当者自身に次の行動を言ってもらうと、受け取り方のずれをその場で直せます。
06次回の会議で確かめること
試したあとに見るのは、30分に収まったかだけではありません。会議後に動けたかが肝心です。決めた宿題が着手できなかったなら、説明不足、担当者の負荷、依存している仕事のどこが原因だったかを確認します。
議事録が短くなっても、判断が曖昧なままなら改善とは言えません。反対に、必要な議論に少し時間がかかっても、翌週の仕事が前へ進むなら意味があります。
次の会議で一つだけ変えるなら、議題の「進捗」を「今日決めたいこと」に書き換えてみる。その一行から、集まる理由を変えられます。